Illustrator(イラレ)のパターンの作り方|チェック柄を作る方法も紹介

本記事では、イラストレーターにおけるパターンとはどういうものなのか?実際に使う際にはどうやって使うのか?など、実際にストライプ柄や、チェック柄の作る方法も含めて解説しています。

ストライプやチェックなどの有名なパターンだけでなく、イラストを使った包装紙などのパターンは印象がガラリと変わり、デザインの幅を大きく拡げてくれます。

イラストレーターを使いこなす上で必要な機能なので、ぜひ記事を読んで、パターンについての知識を深めてみてください。

目次

Illustrator(イラレ)のパターンとは

Illustrator(イラレ)のパターンとは

イラストレーターのパターンとは、オブジェクトの「塗り」や「線」に対して同じ柄や模様を適用する機能です。

ダウンロードしたパターンを使うことはもちろん、自分でパターンを作ることもできます。

背景や、イラストの塗りを漫画のスクリーントーンのように模様やパターンでいれたい時に重宝する機能です。

有名なパターンでいうと、丸を規則的に並べたものは、「ドット柄」と呼ばれたりしますし、四角を規則的に並べたらものは「市松模様」と呼ばれています。

自作のイラストをパターンにすることもできるので、覚えておくことでデザインの幅が一気に広がる機能です。

【初心者向け】Illustrator(イラレ)のパターンの作り方

【初心者向け】Illustrator(イラレ)のパターンの作り方

イラストレーターでのパターンの作り方をご紹介します。

パターンは、スウォッチオブジェクトを使うことで作成できます。

おおまかに手順化すると、以下の3STEPで実施可能です。

  • 【STEP1】登録するパターンを作成する
  • 【STEP2】パターンをスウォッチパネルに登録する
  • 【STEP3】パターンをオブジェクトに適用させる

以下で詳細を解説します

STEP
登録するパターンを作成する

まずは登録するパターンを作成します。

今回はストライプのパターンを作成するので長方形のオブジェクトを作成します。

長方形ツールは、ツールボックスから長方形ツールを選択するか、以下のショートカットキーで選択可能です。

【長方形ツールの選択】
  • ショートカットキー:M

長方形ツールを選択したら、アートボード上でマウスをドラッグして長方形オブジェクトを作成します。

今回はストライプ柄を作りたいので、縦長の長方形を二つ並べて作成しましょう。

作成後は2つの縦長長方形を選択しグループ化を適用します。

グループ化は、右クリックメニューでグループ化を選択するが、以下のショートカットキーで実行可能です。

【グループ化】
  • Win:Ctrl + G
  • Mac:Command + G
イラレのパターンの作り方_パターンを作る
STEP
パターンをスウォッチパネルに登録する

続いて、パターンをスウォッチパネルに登録します。

スウォッチパネルへの登録は、図形をスウォッチパネルにドロップするだけで実行可能です。

まずはスウォッチパネルを表示します。

スウォッチパネルの表示は、上部メニューの「ウインドウ>スウォッチ」を選択すれば表示可能です。

イラレのパターンの作り方_スウォッチパネルに登録

スウォッチを追加したら、次はパターンにしたい図形をスウォッチパネルにドラッグ&ドロップします。

ドロップすると「新規パターンスウォッチ」というパターンが追加されます。

これで、パターンの登録は完了です。

イラレのパターンの作り方_登録後
STEP
パターンをオブジェクトに適用させる

パターンを登録したら、実際に作ったパターンをオブジェクトに適応させましょう。

今回は、正方形の図形に適用させてます。

まずは、長方形のオブジェクトを作成します。

ツールボックスから長方形のツールを選択するか、以下のショートカットキーで長方形ツールを選択します。

【長方形ツールの選択】
  • ショートカットキー:M

長方形ツールを選択したら、アートボードでドラッグして任意の大きさの長方形を作成しましょう。

イラレのパターンの作り方_オブジェクトに適用

作成完了後は、スウォッチでパターンを長方形に対して適用します。

スウォッチの適用は、パターンを適用させたいオブジェクトを選択した状態でスウォッチの任意の柄をクリックすれば適用可能です。

今回は先ほど作成した新規スウォッチを適用させます。

新規スウォッチを適用すると、以下の図のように先ほど登録した長方形の図形がストライプのパターンとして適用されます。

イラレのパターンの作り方_完成系

【応用編】Illustrator(イラレ)のパターンでチェック柄を作る方法

【応用編】Illustrator(イラレ)のパターンでチェック柄を作る方法

続いてはイラストレーターのパターンでチェック柄を作る方法を紹介します。

イラストレーターのチェック柄は、長方形ツールを組み合わせることで作成可能です。

チェック柄は、幅の異なる長方形の組み合わせで構成させれいます。

今回はベースとなる正方向に20px、10px、5pxの縦長長方形を組み合わせてチェック柄を作成します。

チェック柄作成の手順は以下の4STEPで構成されています。

  • 【STEP1】長方形を作る
  • 【STEP2】長方形を配置してチェック柄を作る
  • 【STEP3】不透明度を調整して柄を馴染ませる
  • 【STEP4】パターン登録と適用

以下で詳細を紹介します。

STEP
長方形を作る

まずはチェック柄のもとになる長方形を作成します。

長方形ツールは、ツールボックスから長方形ツールを選択するか、以下のショートカットキーで選択可能です。

【長方形ツールの選択】
  • ショートカットキー:M

長方形ツールを選択したら、アートボード上でマウスをドラッグして長方形オブジェクトを作成します。

以下のサイズの長方形を作成しましょう。

  1. 100px X 100px
  2. 100px X 20px
  3. 100px X 10px
  4. 100px X 5px

任意のサイズの長方形を作成する際は、長方形ツールを選択後にアートボードをクリックすると長方形パネルが表示されるのでそちらに任意の値を入力して作成しましょう。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_長方形の設定

全てを入力して作成すれば準備完了です。

色は好みの異なる4色を好みで「塗り」に適用しましょう。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_長方形を作る
STEP
長方形を配置してチェック柄を作る

続いて、作成した長方形を使ってチェック柄を作ります。

100px X100pxの長方形の上に3本の長方形を並べて配置して「グループ化」しましょう。

順番は「大きいものから小さいもの or 小さいものから大きいもの」と段階的に太さが変わるように配置すると綺麗に見えます。

グループ化が完了したら次は、グループ化した3本の長方形を【コピー&前面ペースト】してから【回転ツールで90度回転】させましょう。

回転ツールを使う際は、Shiftキーを押下しながらドラッグすることで、90度ずつ綺麗に回転するようになります。

使用するショートカットキー:グループ化
  • Win:Ctrl + G
  • Mac:Command + G
使用するショートカットキー:回転ツール
  • ショートカットキー:R
イラレのパターンでチェック柄を作る方法_チェック柄を作る

長方形を回転させたら、元あった3本の長方形に重なるように配置するとチェック柄の完成です。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_配置させる
STEP
不透明度を調整して柄を馴染ませる

最後にチェック柄を馴染ませるために、不透明度を調整します。

不透明度の調整は【透明パネル】を使用します。

透明パネルは「ウインドウ>透明」を選択するか以下のショートカットキーで呼び出し可能です。

【透明パネル呼び出し】
  • WIN:Shift + Ctrl + F10
  • MAC:Shift + Command + F10

透明パネルを表示したら、3本の長方形に対して、種類を「ハードライト」に、不透明度を50%に設定します。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_不透明度の調整

最後に全体をグループ化してパターンの完成です。

STEP
パターン登録と適用

最後は、完成したパターンを「スウォッチパネル」に登録して、長方形に適用します。

スウォッチパネルの表示は、上部メニューの「ウインドウ>スウォッチ」を選択すれば表示可能です。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_スウォッチを選択

スウォッチを追加したら、次はパターンにしたい図形をスウォッチパネルにドラッグ&ドロップします。

ドロップすると「新規パターンスウォッチ」というパターンが追加されます。

これで、パターンの登録は完了です。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_パターン登録

続いて、長方形のオブジェクトを作成します。

ツールボックスから長方形のツールを選択するか、以下のショートカットキーで長方形ツールを選択します。

【長方形ツールの選択】
  • ショートカットキー:M

長方形ツールを選択したら、アートボードでドラッグして任意の大きさの長方形を作成しましょう。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_長方形を作成

作成完了後は、スウォッチでパターンを長方形に対して適用します。

スウォッチの適用は、パターンを適用させたいオブジェクトを選択した状態でスウォッチの任意の柄をクリックすれば適用可能です。

新規スウォッチを適用すると、以下の図のように先ほど登録したチェック柄が適用されます。

イラレのパターンでチェック柄を作る方法_完成系

Illustrator(イラレ)のパターンの編集方法

Illustrator(イラレ)のパターンの編集方法

イラストレーターのパターンの編集方法を紹介します。

パターンは編集機能を使うことで、拡大・縮小や、回転、色変更などアレンジを加えることが可能です。

実際作ったパターンを適用する際も、「図形のオブジェクトサイズは変えたくないけど、柄だけ小さくしたい。」という場面は少なくありません。

そういった適用させたあとのアレンジの方法を以下で紹介していきます。

パターンのサイズを拡大・縮小する

イラレのパターンの編集方法_サイズの拡大・縮小

パターンのサイズを拡大・縮小する方法を紹介します。

パターンの拡大・縮小は拡大・縮小ツールを使えば編集可能です。

まずはツールボックスの【拡大・縮小ツール】をダブルクリックします。

すると、拡大・縮小パネルが表示されるので、【オブジェクトの変形】のチェックを外した上で、「縦横比を変更」or「縦横比を固定」の設定を変更します。

任意の値を設定するとオブジェクトの中のパターンだけが拡大・縮小されて表示されます。

パターンを回転させる

イラレのパターンの編集方法_パターンの回転

パターンのみを回転させる方法をご紹介します。

パターンのみを回転させる場合は、回転ツールを使用します。

パターンが適用されたオブジェクトを選んだ状態で、ツールボックスより【回転ツール】をダブルクリックしましょう。

ダブルクリックすると、【回転パネル】が表示されるので、オプションの「オブジェクトの変形」のチェックを外してから「角度」の値を入力します。

入力後OKを押せば、パターンの拡大が適用されます。

今回は、チェック柄を120度回転させてクロスチェックっぽくしてみました。

パターンの色を変更する

パータンはあとから色を変更することも可能です。

パターンの色を変更するには、【オブジェクトを再配色】の機能を使用します。

オブジェクトの再配色は、上部メニューの「編集>カラーを編集>オブジェクトを再配色」を選択することで実行可能です。

イラレのパターンの編集方法_色変更

「オブジェクトを再配色」を選択するとパネルが表示されるので、右下にある「詳細オプション」を選択しましょう。

イラレのパターンの編集方法_色変更の詳細オプション

詳細オプションを選択すると、詳細オプションパネルが表示されます。

パネルの中では、現在オブジェクトの中で使用されている色がリストで表示されているので変更したい色を選択しましょう。

詳細オプションパネルの画面左下に色変更の箇所があるのでスライダーを調整して任意の色に変更すると、パターンの変更したい色が任意の色に変更反映されます。

イラレのパターンの編集方法_再配色の設定

このようにオブジェクトに適用したパターンは、【オブジェクトを再配色】を使えばあとから色変更することも可能です。

色変更をするとパターン柄は大きく印象が変わるので、デザインをアレンジしたい際にはぜひご活用ください。

イラレのパターンの編集方法_色設定の完了後

継ぎ目をなしに柄やパターンを作る

続いては、継ぎ目をなしに柄やパターンを作る方法を紹介します。

パターンの登録では、正方形のパターン柄は継ぎ目なく配置されますが、複数のオブジェクトを組み合わせたような柄ではデフォルトの設定では、継ぎ目の幅が気になる場合があります。

そういった場合も、【パターンオプション】を使えばパターンの継ぎ目の間隔をデザインに合わせて編集することが可能です。

【パターンオプション】はスウォッチパネルで編集したいスウォッチをダブルクリックすることで表示されます。

イラレで継ぎ目なしにパターンを作る_スウォッチをダブルクリック

パターンオプションパネルでは、「タイルの種類」で、パターンの並び型(6角形に配置や、レンガ型に配置など)が変更できます。

また、「幅」「高さ」などの値を変えることで、パターン柄のベースとなる柄の近接具合を編集することが可能です。

例えば、幅を狭くすれば左右の距離感が近くなりますし、高さを短くすれば上下の距離が縮まります。

イラレで継ぎ目なしにパターンを作る_幅と高さの調整

パターンオプションを用いれば、パターン柄の引き出しがグンと拡がります。

自分の思い通りのパターンを作るために必須といっても過言ではない機能なので色々なパターンを試して、使いこなせるようになりましょう。

イラレで継ぎ目なしにパターンを作る_間隔変更後

パターンをアウトライン化する

最後に、パタンをアウトライン化する方法をご紹介します。

デザインデータを入稿する際などは、アウトライン化したデータを求められることが一般的です。

アウトライン化データーを求めれた際に、パターンはアウトライン化できるのか?とお悩みのかたも少なくないのではないでしょうか。

スウォッチから適用したパネルは、【分割・拡張】の機能を使うことでアウトライン化可能です。

【分割・拡張】の機能は、上部メニューの「オブジェクト>分割・拡張」を選択することで実行可能です。

イラレのパターンをアウトライン化する_分割・拡張を選択

分割・拡張を選択するとパネルが表示されるので「OK」を押せば実行されます。

イラレのパターンをアウトライン化する_OKを選択

パターンのアウトライン化は納品時などに忘れがちな項目でもあるので意識しておきましょう。

まとめ

イラストレーターでパターンを使いこなせるとデザインの幅が一気にひろがります。

初心者には少し難しい機能ですが、だからこそ素人とデザイナーのスキルをわける機能とも言えます。

ブランディングにおける、トンマナの作成時に、カラーパターンだけでなく印象的なパターンを用いれば他と差をつける独自の目立つポイントにもなります。

デザインの選択肢を拡げるテクニックなのでぜひ覚えて応用してみてください。

その他イラストレーターの使い方については「イラストレーターのカテゴリ」か、下記検索画面よりご確認くださいね。

その他「イラレの使い方」について検索

イラストレーターのパターンに関する「よくある質問」

イラストレーターのパターンに関するよくある質問を紹介します。

イラレのパターンがずれる理由は?

イラストレーターのパターンデータ使う際に、「パターンがズレるようになってしまった、どうしたらなおせるの?」という質問がよくあがります。

パターンのズレが気になる場合は、 環境設定>一般 より 【パターンの変形】の項目にチェックをいれましょう。

イラストレーターのパターンデータがズレる原因はイラストレーターの環境設定にあります。

イラストレーターの環境設定の「パターンを変形」という項目のチェックが入っている場合はオブジェクトの変形に合わせてパターンも変更されます。

しかし、「パターンを変形」のチェックが入っていない場合は、オブジェクトが移動された際にパターンが連動して変形されません。

このため、オブジェクトを移動させた際に、パターンがズレたように見えるのです。

イラレのパターンがずれる理由は?
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